通勤/葉leaf
 

するとそこでも何かがすとんと落ちる
同じ犬でもどんな種類の犬とでも会話する耳と舌
そんなものはいらないからすとんと落ちる
僕らはみんな同じ種類の犬同士
同じ鳴き声と同じまなざしと同じ毛色の群れなのです
毎朝余計なものを背負って出かけては
一つずつすとんすとんと落としていき
純粋な同じ種類の犬として
同質性の快楽の中へと収まり
同じであることが居場所を作り上げ
心地よい居場所で仕事を始めます
すると今度は同質性でまとまったところに
見えてくる幾多の異質性
みるみるうちに生えてくる
今度は本物の、翼とたてがみと毛皮と角が
僕らを僕らの役割の中へと
すとんすとんと落とし込んでくれます

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