枯渇ということについて/砦希
そうそう
ずっと言いたかったんですけど
私もう28歳なんですよ。
30歳まであと2年を切って、
色々と曲がり角を越えてきたんです。
色々な葛藤や誘惑や自分を傷付ける全ての人や
とりとめもない夢や
そういうもの全部
飲み下して、消化して、ここまで来たんです。
ずっと言いたかったんです。
私、もう
少女ではないのです。
あなたやあの人が知っている
少女の私ではないのです。
あばらの浮き出た
まだ何も知らない少女は遠い記憶に
私は今日も色々なことや色々なものと
上手に折り合いをつける。
ずっと言いたかったんです。
あの時の少女はもういないのです。
遠い過去なのです。
そして私の心は日々強くなり
言葉の泉は枯渇する。
水が枯れたあとの泉は
きっとごつごつとした岩がむきだしになり
生き物は消え果て
とても寒いのでしょう
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