夜間飛行/アマメ庵
 
昼まは強かった風もすっかりおさまった。
田んぼは植え付けが始まっていたり、いなかったり、左手の水を張ったものは月への道を示している。
アスファルトの道が真っ直ぐに伸びる。

車はほとんど通らない。
人もすっかり寝静まっている。
気の早い蛙が泣き始めている。

目を閉じて歩いてみる。
真っ直ぐな道だ。
車があちらとこちらから来ても、楽々とすれ違える道だ。
次の電信柱の、その少し先に、溝があり、金網の蓋がされている。
あれを踏めばカシャンと言うから、そこまで目を瞑って行こう。

真っ直ぐ歩く。
真っ直ぐな道だから。
右の方から左の方に風がそよぐ。
少し左に寄ってしまっ
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