ツアラツーストラは夢を見たか/風船
言葉を
繋ぎ合わそうとして
脈略のない
ガラスの破片の
モザイクのように
何を言いたいのか
分からなくなって
悲しみは飛び散ってしまった
奇抜な言葉を繋ぎ合わせて
詩と思い違いしている
詩人たち
君の悲しみは
どこに行っちまったの
あの啄木の素朴な
悲しみはこの世界にはない
言葉は勝手に詩と名乗り
詩は勝手に踊りだす
言葉は薄っぺらな金ぴかの衣を纏い
またもや虚偽の伽藍に響きわたる聖歌
詩人はまことしやかに
聖句をまくし立てる聖職者
か
この世で確実な真実は
そこに切り取られた一塊の石
聖フランチェスカは
真実を崩れかかった村の小さな教会に
見た
そこに素朴な悲しみは死に瀕して
喘いでいた
思いは凝縮した言葉となって
誰の胸を射抜いただろう
詩は思いの塊となって
誰の胸に錨を下ろしただろう
詩と思い込んだ言葉を放屁する詩人たちが
跋扈する
POET IS DEAD
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