一人の帰り道/クナリ
 

どこまで降りていけばいい
息を止め
水にもぐり
その水底の先の先
誰がいる
何が光っている
あれは
近づいてくるのか
触れてしまっても
再び岸に上がることはできるのか
誰も見ていなければ
触れてもいい類のものなのか
この目は見ているのに
誰にも気付かれずに
誰にでも見つかるのに
足はどこだ
手のひらは何をつかんだ
何がいる
そこに何がいる

この目は見ている
起こったことを覚えている

いっそ盲いてくれないか
この一人の帰り道

ドアを開ける
その時までは
その時までは。

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