言寺の尼僧どの/もっぷ
 
ほら首都高が唸り始めた
まだ週末には一日早いのに
しかも近頃は人手不足
売り手市場だって

遊んでないで仕事に励めよ
わたしの部屋にも一通届いた
握りしめて鍵をしっかりと確認してから
泣いたよ、呻いたよ、…どっちかな

夏に湿気る国も五月中旬
なみだの乾くのが早い
わたしだけの神さまが居て
どっかでみてるに違いないと

信じた矢先に手が滑って
カップが倒れた

ああああ


頼むよもう
眠るためのミントティーが
覚せい薬代わりになって

ガガガ
はい、いまわたくしはスランプ中です
の看板をそっとなかったことにして
でも読めば誰でもすぐわかる

このひといま書けなくなってる…

地獄耳だったつもりはないが
ガガガ
拭いて拭いてテーブルとなみだ

存在しないミントティーただ
一篇のためだけに
淹れてみたよ、ねぇミューズよ


戻る   Point(4)