『 夢セイRunの着床 』/狩心
 
 朝、

 無精卵を焼いたものを
 レタスの羽でgoogle巻きにして閉じ込め
 「 始まり 」と呟いてから、口に放り込み
 「 人 」から貰った思い出の
 You know meを片手に
 まだ、人気の少ない町を
 ベランダから眺めている、未来
             流れ込んでくる情報に翻弄され
             数多のアナタは、シテンを失っていく

 少し遠くの大通りから微かに
 ジメンと車輪の摩擦音が聞こえ、
 そのまたさらに遠くのコウジョウから
 シコウの異臭を放つ水蒸気「 思いを形に 」が立ち昇っていて
 巨人の虚像を作っている、未来
   
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