投票所までの長く長く長い道/北村 守通
散歩がてら
投票所まで向かう
混雑することは
目に見えているから
歩いて向かう
自転車にすら乗らない
あんまり
早く着きすぎると
誰に投票するか
決めきれなくて
それは
どんなに時間があっても
決めきれないのだが
嫌なのである
それでも
投票所に着けば
解答用紙を
埋めなくてはならない
まぁ
白紙答案もありだが
とにも
かくにも
ぐずぐずすると
後ろがつかえて
迷惑になる
職員たちの
哀願するような視線も痛い
でも
私は知らないから
私は書けないのであって
本当は
書けないということを
書きたいのだ
いつも
こんなもんだから
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