海辺にて/
大覚アキラ
こんなにも空は晴れわたっているのに
だらしなく続く海岸線には
腐乱した犬の死骸が転がっていて
虚ろな目つきの子供たちが
黙ってそれを取り囲んで眺めている
子供たちの瞳の奥にあるのは
驚きなのか
絶望なのか
好奇心なのか
悲しみなのか
風が吹いてきた
子供たちも
犬の死骸も
海岸線も
空も
吹き飛ばされて
全部
消えた
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