限りなく近づきたい/ichirou
工場のてっぺんで鳴くセキレイ
緑と潮の朝の風
田んぼに映るセピア色の富士山と雲
遠くにいる昔の仲間たち
限りなく近づきたい
そう想う
季節はこんな近くにいるのに
近づけない現実
悩んでいる昔の仲間たちの
力になれない現実
会って聞いても
どうにもできない現実
昔の仲間もいる
自分もいる
昔と違うのは
立場と役割
ただそれだけ
きっと根本は同じはずなのに
何かが変化している現実
こんなものかと
割り切れない傲慢な自分
励ますことはできても
近づけない現実
でも
顔を上げれば
やっぱり
限りなく近づきたい
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