青/草野大悟2
 
おまえのアオが好きだ
そう言ったとき
どんなアオが好きなの
、と真顔でつめよられて
俺は黙ってしまった

おまえのアオだよ
、と言ったとたん
おまえのアオが
牙をむいて襲いかかってくるような
そんな予感に襲われたから

アオという固有名詞は
アオという多種多様な色であると
おれの大好きなアオは
色を捨てて教えてくれた

今日
このとき
アオはおまえになり
おまえになったアオは
言葉という色をまとって
空へ泳ぎだしている
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