手を離す/
森川美咲
私がどれほどのものでもないと認めることから、始めなければならない。それはとても恐ろしく重く苦しい作業ではあるのだが。
お気に入りのおもちゃだから容易に捨てられないだけで、おもちゃの方では案外、私の手を離れた方が生き生きと転がれるのかもしれぬ。
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