二度目の初恋 など三篇/クナリ
 
しない憧れが
二つとない運命のはずの 天焦の想いが
何度だってやって来てしまう
誰にだって覆いかぶさってくる

でも
今この時の この恋だけが確かに違う

二度目のこの恋が
僕の最後の恋

「誰にだってあるんだよ、そういうことが」
そう笑われるのが分かっている

それでもこの恋が
僕の絶後の恋。





<帰り道>

帰り道で抱きしめたい

行く道の先には色んなものが待っている
帰り道の先には私たちだけが残るだろう

帰り道で抱きしめたい
私たちだけの帰り道で。





<降りる駅を乗り過ごした、他愛もない理由>

君がまだ降りなかったからだ
まだ名前も声も知らない君が。

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