世界の外側/葉leaf
 
世界の外側


世界の外側に
もう一人僕がいる
あるいはそれは
何人もいる僕のうちの
たかだか一人に
過ぎないのかもしれないが
この世界の外側に
もう一人僕がいる

あの日君は喜んでいた
試験に受かったと喜んでいた
共に勉強していた僕も嬉しかった
だがそんな僕と君を
何の感動もなく受け流していた僕がいた
喜びと石ころにまったく区別をつけずに
世界の外側の
天国も地獄も追いつかないような場所で

あの日僕は驚き悲しんでいた
とんでもない地震と津波が起きて
ひどく揺れたし人が沢山死んだ
僕は言葉を発することができず
沈黙の中に無量の意味を込めようとした
[次のページ]
戻る   Point(2)