ケチャマン/末下りょう
 


中国人かブラジル人ばかりの街でプッシャーをしていた近ちゃんが死んだ
パニック障害の薬を齧りながら
大麻、クラック、LSDを顧客中心にさばいていた


高校球児だった近ちゃんは学園一足が速く、あの夏、甲子園のダイヤモンドを丸刈りで誰よりも速く駆け抜けた地元のヒーローだった。翌年の冬、近ちゃんはパクった原付きで事故り右脚の大腿骨を粉砕した。手術と長期入院をきっかけにメタボになりその体重が更に脚を圧迫して偏頭痛持ちになった。

糖尿だった近ちゃんは生理の女とヤルのが好きだった。部屋のシーツを血まみれにしてチンポを赤く染めてスペルマを女の顔にかけて果てる。女の血の匂いがたちこめる部屋
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