「かおるのおと」2014.04.19 (一五首)/もっぷ
春の野がどこまでも遠いこの病室(へや)できのうさくらが終わったと知る
この年のさくらも終わりわが病室(へや)はたとえようのなく北東を向く
春風が知らずにすぎる向きに建つこんな部屋にもひとが生きてる
誕生をいのちのことと見限るなこころと合わせてやっと在るんだ
星空を君から聴いて思い出す知ってる宙はプラネタリウム
ふるさとはあの病院のベッドですどれかと訊かれてこたえられない
今朝っから負の形容詞抱え込みネガティブ連鎖がもう止まらない
遠足の動物園の土産屋のキリンへ未練のこしてる今も
富士山のいったいどこがいいの
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