故郷/
chiharu
緩やかな坂道を下りると
遠くに海が見える
ここから見る海は
手のひらの中に
隠れてしまうほどの大きさ
海を目指して歩いてゆくと
潮の香りの風が吹いてくる
風は太陽の傾きを
教えてくれる
そうして時間が
ゆっくりと流れてゆく
歩く速さも
車の走るスピードも
それぞれの年代の人々が
自分のペースで暮らしている
「ワカメ、あります。」
そんな貼り紙があるお店
ここは海辺の街
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