日輪の見える断崖から/黒ヱ
と海が白む
それを見たのが 手を伸ばす 淑女
海だけが 波だけが 干渉し 侵食した
それは鋭利なもの とても美しいもの
飛び立ち 落ち また旋回し 絶景に線を描く
断崖だから 目前にあり 眩む
照らすもの
「鈍色に焼き尽くされ それをお前はどう思うだろう」
止まっている 前を向くことは無く
照らされるもの
「彷徨うから この夜だけでも逢えればいい
残りの照らしも与えず 全て持っていたい
この命尽きても ずっと」
指を絡める人 全てが同化した景色の中で 言う
願いの大海原 背に
愛を叫び また それに感化して浮かぶ 愛
鳶ども
「それで 仕舞い」
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