湧出鬼没 (三篇のオムニバス)/るるりら
【まじか】
気が付くと
赤を塗りたくっていた
白い画用紙に クレオンの油の瘤が
浮き出てくるほどに
太陽よりも大きな赤が
あることを まじかに
もっとまじかに赤を ひきよせているのか
それとも あたりに放出したいのか
無軌道な線を無数に
放埓に
けれど それらの線は
しだいに重なり
円の形に収まって行く
わたしの中にある太陽は
円なんぞでなく、 巨大な球で
太陽より暴力的に 魂がぬけた赤だ
頭蓋骨を血が叩く音がする
【まじで】
トランステクノな薔薇として育てられマスカラ
愛されるがために美として生まれてマスカラ
羨ま
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