レモン爆破5秒前/
左屋百色
桜に挟まれた鉄塔が詩を射精する郊外
私の目に精子が入って充血する水色の町
古書店の主人が埃と光を激突させる本棚
君の闇が深まれば芸術を踏み潰せる
選んだ言葉が次々と逃げてゆく夕方
題名が永遠に決まらない現代詩を読む
昇華できないレモンが詩集の上にひとつ
遠くへ投げて爆破して散る桜の花びら
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