年輪/オダ カズヒコ
切れに聞こえてくる
ぼくは中年になり
その年齢なりの罪悪感と
物足りなさを感じつつ
日々を過ごす
まるでミミズのように
酒に弱くなった
ウーロン茶を片手に
妻が頬杖をつき
酔ったぼくの顔を見つめる
で
いつからなの?
妻が何かをぼくから訊きたがっている
ぼくはさらに真っ赤になり
ミミズのように耳を塞いで
できればその問いに答えたくないと思っている
雪の降る場所に
ぼくの人生はあった
雷鳴の鳴るその下で
ぼくはその人に出会った
一番ぼくの体温に近い
微熱のその人と
雷鳴の鳴るその下で
キスをした
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