25歳の夏〜39歳の春/オダ カズヒコ
地平の果てに辿りついたぼくは
打ちのめされていた
25歳の夏に
時間の終わりがやってきた
空間もそこではぴったりと
閉ざされていたのだ
東京の新宿
早稲田通りを路地へ入った住宅街
誰もがその場所では
自らの魂(タマシイ)を進んで差し出した
ゆっくりと
水面にでも浮かべるように
たくさんの人が
そこには居たような気がする
アパートの大家さんや同級生やバイト仲間
新宿駅へ向かう
洪水のような人々の群れ
樹海と死海が交じり合うような
その都会の場所で
肉体は暖かく
骨は不気味にそそり立つ
時間が終わると
見ていた夢も
同時に果
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