さよならのあと など四篇/クナリ
 
<さよならのあと>
さよならと言えないでいるのは
さよならが辛いからではなくて
さよならのあと私ひとりで
さよならより狂おしいものが降りそそいできた時
それは必ず降りそそいでくるのですが
さよならのあとの私には
そんなものに耐えられるはずがないことが
分かっているからなんです
さよならのあとの私では。





<似合いの二人>
笑っちゃうような夢に本気だったあなたと
それを一度も笑わなかった彼女が
だからこそ隣にいられるのだと
自分をあきらめさせるのに必死で。





<こじつけ>
僕を忘れられないからって
理由をこじつけてまで
会いにくるのはやめてくれませんか

僕が君を忘れられたとでも思っているのですか。





<へとへとになった様子で>

こんなところにいたの

帰ろうよ。
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