こんな風に思ったことはないですか/さとう 星子
こんな風に思ったことはないですか
私の不幸せは誰かの幸せの代償で
光がある故の影のよう
どんなにあがいても
この運命から逃れることができない
私の黒い欲望は
誰かを傷つけてしまいそうだけど
理性がそれを許さない
こんな風に思ったことはないですか
自分の道を自分なりに進みたいのに
世間はすぐに順番をつけたがり
人の土俵に許可なく入ってくるひとがいる
励ましの言葉や音楽の歌詞が素直に受け止められなく
自分の苦しみさえも
だれにも分かってもらえなくていいから
せめてひとりになって泣いていたい
そんな風に思ったことはないですか
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