北海行/
織部桐二郎
連絡船はさいはてに
列車を積みて揺らぎたり
吹雪く海峡暮れゆきつ
霧笛のおもく迫りくる
行手に君のありぬとぞ
文にちかひて来たりけり
東都さかりてはるけくも
夜行列車の幾時間
君が於母影したひつつ
文が言の葉ひた恃み
あひ見む北の街さしぬ
海峡吹雪いやはげし
連絡船にながむれば
ふとまなかひに君がおも
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