農業/葉leaf
自然の形成力と人間の矯正力が、大地の響きが錯乱する場所で渦を巻いて凝縮され、蓄えられたエッセンスが滴としてポトリと落ちた。農の滴は、嵐と豪雨と雷の飛び交う空の高みでひと時羽を開き、やがて人間と自然との絶え間ない闘いを記すための血のようなインクと化した。人間は土を耕し種をまき、自然は土を広げ種を受け入れ、種の中の自然は憎しみに似た強さで自身の根拠となった。自然は人間に搾取されまいと躍起になって逃げ続ける。人間は自然から最大限の実りを得るために追いかけ続ける。だが、自然が人間の効用のために美しく敗北するとき、自然もまた人間の手を借りて大きく進化しているのだ。そしてもちろん、自然を追いかける人間もまた自然に育てられていく。収穫のための自然と人間の高め合いは、ときに災害という自然のエラーによって打撃を受ける。自然は人間と自然自らを共に破壊する純粋な善意をコントロールできない。自然と人間は、自然の純粋なエラーと立ち向かうが、そもそも人間自体が自然のもっとも純粋なエラーだった。農業というものは、自然の絶え間ないエラー産出によって生み出されたエラーを最小限にとどめるエラー的エラーに過ぎない。
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