不安−詩想との訣別/……とある蛙
る。
入念に捏ねる
帰宅してから風呂に入る
義父が最初で二番目が息子
自分は三番目
この順番を崩すと
女房にイヤミを言われる。
風呂から出ると
夜半までテレビを寝転がってみるか
小難しい本をやはり寝転がって読む
女房の話に相づちを撲ちながら
こんな生活がここ一〇年
身から出た錆とは言え
長い放蕩の後の終着駅だ
家中では誰も自分を尊敬していないし、
尊敬されたくもない。
女房とだけはまともに話をするのだが
最近彼女は異常な頭痛に悩まされている
そんな彼女の感情の起伏に
翻弄されている
グリオーマ
そして
今漠然とした不安と
寂寥感が広がる毎日
過ごしている。
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