つくしの佃煮/末下りょう
 
小さいころ、春になると
ばあちゃんと手をつないで
つくしを摘みにいった
いつも風が強くて
河川敷にはいっぱい
つくしが伸びていた
シャツにてんとう虫をつけて
ビニール袋につくしとタンポポを
たくさんいれた
つくしのつなぎめを
抜いたり差したりして遊んだ
ばあちゃんの手はかたくて
日に焼けていた
ぼくが土手で転ぶと
ばあちゃんはすぐきて
ぼくをひっぱり起こした
一緒に持って帰ったつくしで
ばあちゃんはつくしの佃煮や
つくしご飯を作った
佃煮なんて好きじゃなかったけど
ばあちゃんと探してとったつくしの佃煮は
すごく美味しかった
ばあちゃんは三年前から
グル
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