16才/末下りょう
16才の同義語としてゆらめくライ麦畑でささやかれ
星と犬と光を殺した
指の隙間で
きらめく雷が
凍死するから
モンシロチョウのようなナイフにとまる
メランコリーの羽の
炎の上限と風の下限を
ざわめく闇に
浸して
頬の一本のうぶ毛すら痛むことなく
ライ麦畑から眺めた星空
呼吸することさえ一種の演技となり
夜空に縫い合わされたオーロラのへりを満たす夢に
空白に湿る包帯を巻きつけると
最初の1歩が最後の1歩だった
1つのドアを閉めて、もう1つのドアを開け
16個のケーキの136本のロウソクがふき消されるその灯りの切断面に
瑞々しく芽生える王冠
身体に描いたもう1つの身体の延長から水がひき
波際にあらわれる
星形の裂傷は散らばり
投げだされ
霞む水平線に傾いて刺さる砂の王国の束の間の漂流を
それぞれが抱き寄せ
旅先の朝のような
奥歯が、砕く
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