まるはだかの木/朧月
 
なにかをリセットしたいとおもい
恒例のだんしゃりを決行する

てはじめに冬服
もう襟足をたてて歩かないことにする
首筋からはいりこむ空気をうけいれることにする

ぶ厚い靴下をすてて
地面をヒフで感じる

どんどん捨てる
思い出と共にしまいこんだりはしない
袋の口をぎゅっとしめろ
えーいとつみあげろ

いらないっと声にだせ
たとえその中に小さな自分の目が
じんわりみつめかえしてきても

いらないっ
いらないのだ

まださむざむとした朝に
まるはだかな自分がいるけど
さくらの木だってそうして立っている
うちに秘めた
花を大事に抱えながら
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