冬模様(雑詠)2 (一〇首)/もっぷ
冬の朝太平洋側砂浜で待ちぼうけ無しの天気の予報
ひとびとが一歩一歩と近くなり他人の消えて浜初日の出
聞きづらいおばあちゃんにはテレビ音わたしにはみかん譲る正月
さびしさにどちらかといえば音はありぬくもりしずか病院のふゆ
寒さより厳しいものをひとりと言い連休明けを待つひとり在り
目の奥に消せないままの大焚火ふゆの海辺のにぎやかな日の
一枚の日めくり一枚のひと月おなじ重さの新年が来る
年末にお詣り済ませせいせいとテレビみている元旦もあり
いきあたりばったりでゆく冬の浜ひとを探して多ければ佳し
よく訊いてくれたと友の返信に義母の来ること凶引くごとく
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