ねがひ/
織部桐二郎
ふと、祈るともなくねがふのです。
わたくしの稚い恋が、空のどこかに、
まだ光るのなら、
星の蒼さに永遠にのこりますやう。
わたくしの実らぬ想ひが、天の記録に載り、
おなじく恋にやぶれた少女と、
つめたい光のなか、しづかに見つめあひませう。
らんぷのもと しづかに、しづかに……。
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