きりん/リレー詩/こうだたけみ
直線と曲線が折り重なり春がきました。そこは麒麟なんじゃない、キリンなんじゃない、きりんなんじゃない、夜のそこはまだ冷えるから
冷えたそこから声がする
長い長いきりんの首のそこから
聞いたこともない鳴き声が届くの待っているの、ここで
リリックリリック、水曜日はいつも雨なので約束通りを左へゆけばサバンナ、ともだちの匂いする
匂いが記憶を呼び起こす
こんなにもいとしいのに草むしりなどできません
彼は歩きたい走りたいしゃがみたい
だけど檻の中には草もはえない
はえある名ではないけれど、あなたの知らない呼び名があったりする、あなたの知ってるあの木や花の脇の抜かれてしまうその
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