蔵開き/ichirou
 

春の日射し
山間の里
富士の清水の恵みを人々に振る舞う
酒蔵の蔵開き
心に沁みる酒
わさびと酒粕のかおり
皆の笑顔と笑い声

一年振りの再会は
社交辞令の欠片もなく
互いに肩をたたき合い
皆で分け合う段ボールの座布団は
田んぼの柔らかみを教えてくれる

ああ
これが春というものか
これが酒というものか
これが人というものか

また来年も来るからね

おお またおいで



青い衣を羽織った
富士の白化粧はまだ厚い













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