新聞紙/末下りょう
寝ぐせはゆめの死顔
つまらない
ゆめの
微熱を帯びる新聞紙を
鼻先に近づけ
一日の予言を受けるように
朝を吸い込む
行方不明の飛行機
アイドルの恋人
どうでもいい
ポストのなかに消え去り
読み終わるまえに
途中で忘れるだけ
インクの匂いが毎朝 、
僕を甦らせて
励ます
雨の日に
暗闇で一緒に
遊んだなかだ
大切なことは
まだベンジンが残る
古い新聞紙に
くるんだ
そこにはいまだ何も書かれていない
わずかな今日を
支えて、
ただ濡れている
いくつかの
僕の小さな死亡記事は
ビニール紐に
括られて、
重なり合い
台所で低く
首を曲げ
体操座りをしている
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