スイッチ/nonya
いつ
スイッチが入るのか
分からない
それが
ONなのかOFFなのか
分からない
そもそも
何処にスイッチがあるのか
分からない
行方不明のUSBメモリを探そうと
机の下を這いずり回っている時に
頑固過ぎる寝ぐせを気にしつつ
約束の場所に急いでいる時に
お昼のランチで迷いに迷った挙句
いつものB定食を食べている時に
そいつは唐突に切り替わる
古い家具に積もった
暮らしの塵が
取り払われるように
意識の行く手が明確になる
色と材質が
音と感触が
流れるように翻訳される
光と心象が
風と言葉が
街のあらゆる路地を闊歩し始める
夜明けだ!
反転だ!
覚醒だ!
錯覚か?
まあいいや
さあ詩を書こう!
戻る 編 削 Point(16)