詠唱/葉leaf
日光がけたたましく叫んでいる
俺が異端だと激しくなじっている
俺は河川敷を散歩しながら
昨日の家族との団欒を思い返している
家族には異端の概念がない
俺は一人でありながら圧倒的多数だった
圧倒的多数であるがゆえに
無数の少数者から徐々に排斥されていった
校舎の美しい壁に映し出されていた約束を思い出す
人生をフラスコの中で化学反応させる
死んで堆積した俺との約束
川には川を支える石が沈んでいる
俺には俺を分裂させ育む異端が
風のように鳴り響いている
俺は俺にとって異端なのだ
友人たちとの関わりの織物の外で針のように冷たかったとか
社会の工程に組み込まれるだけの機械性の欠落とか
そんなことよりも
すべてを犠牲にしてまでも痛ましい自由を手に入れる
そんな滝の流れ落ちるような熾烈な自然
それが異端であるということだ
人々はどんなに強い愛情の表面にも敵意をにじませ
俺は同じく異端である人々との
離れ離れの不可能な連帯に
涼しい絶望を微笑みながら与え続ける
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