春雨の後に/小林螢太
 
南の空気を孕んだ
雨が止んで
少しずつ
本当に
少しずつだけれども
春は
近づいて来ている

三寒四温

四つ進んで、三歩下がりながらも
春は、確実に近づいてくる
私の街に
あなたの街にも

冬の間
冷気に張り詰めていた皮膚は
その緊張をとき、深呼吸をする
微かないのちの息吹を
感じながら

さあ、行こう
この芽吹きの季節に
生きものたちが
目覚めるこの季節に

新しい春を駆けよう





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