最後のパンケーキ/もっぷ
さざなみに心を許して
軽い手荷物すらもういらない
石の原野に泉をみつけた
だから
もう何もいらない
青い花たちが
みえない風に踊っている
啜り泣きは石っころたちの
いつもの癖
地図を燃やして火を熾し
お昼の準備
最後のごはんはパンケーキ
泉の水を少し戴き
喉を潤おしながらパンケーキ
風がにおいを運んで
泉は何かを言いたそう
もう明らめられているから
すべてに耳を傾けよう
ふとポッケにはまだ
くちゃくちゃの往復切符の
残り半分があったことに
気がついて
傍らの手荷物とともに
忘れ去ることにする
きみ、
と呼びかけてきた
たくさんのきみたちが
よぎ
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