海の瞳/
草野大悟2
目の前の壁で
よちよち歩きの緑をだいて微笑んでいるのは
光だ
この先に今日が待っていることなど
このころぼくらは考えもしなかった
光は輝きを増し
緑はかくじつに明日の姿をつかみ
そしてぼくらは
おおきな幸せの風船にのる
はずだった
緑がひとの言葉を話すようになるころ
光はひとの言葉をなくした
白い影がぼくらをおおい
明日がリスカしようとしたそのとき
ぼくらは風の中に海の瞳を見た
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