畏怖/莉音
 
底知れない夜空の下で
じっと、空を見た
あまりに美しい星々の輝きの中で


わたし という存在が     消え去る

 震える身体で、私は必死に想う


           ああ、怖いな



遠くから、木々のかすれる音とともに、声が聴こえる。
老婆の声と、幼い子供の声だった。

 あの星はね、もう死んでしまっているかもしれない

 そんなことないよ、だって光ってるじゃない

 あの光はね、もう何万年も昔の光なんだ

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