火曜日の五限に/yamadahifumi
過去に押し流されていく自分を
未来の自分がじっと見ている
時は待ってくれないが
誰かが時という流れの果てで
僕を待っている
何故か、そんな気がした
この流れを越えて、岸にたどり着けば
あの日、失くした『君』に会う事ができるだろうか
僕はふと、そんな事を思う
それは窓の外にランニングする下級生が見える
火曜の5限の歴史の授業
僕はふいにそんな事を思って
教科書の中の織田信長にそっと
髭を付け足してみたのだった
ただ、その髭だけが
時間の流れを越えて生き続けているとでもいうように
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