午前三時の常識/もっぷ
だれも知らない思い出は
知られたくはない思い出とは違うけど
知らせたくはない思い出だと
ぼんやりと、
でも熱心に誓う自分は強いのだろうか
あらゆるやせ我慢でにんげん時間を
やり過ごしてついに、
また泣いているよわたし
君に聞いてほしいな
知らせるのはやっぱりきついんだけど
知ってほしいな君にだけは
(そして思いっきりと憐れんでほしい
午前三時の時計が常識を告げ
知ってほしがっているこの心の叫びに
いやでもどうでもふたをして
知らせたくはないんだと
自らを、切実を巧妙に操っている錯覚
知られたくないわけじゃない思い出はいつか
忘れられるわけもない
けれどとりあえずは抑え抑え抑え抑えて
どこかのサイトでだれかの独白でも読んでみる
そしてみつけてしまうんだ
毎夜毎夜とは言わないが
だれかの、
わたしのととてもよく似ている
やせ我慢とかなしみを傍観者として報告している
心やさしいひとの一篇
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