メーピスカリャー/末下りょう
 

夕ごはんの買い物帰りにママンが仔猫を拾ってきた
パッパは余計なもの拾ってくるなよと言った
ぼくはびっくりして、触ったりした
今日から兄弟だよって
ママンが言った

少し震えながら
鳴いてる、
浮きでた背骨
細くて
逆立った毛
足音がない
肉球はどっかの国の
フルーツみたい
薄い耳をめくると
パチンッて
もどる

猫を抱いて寝ると夢にやわらかな毛がはえるって聞いてたからくっついてみたけど、すぐ逃げてママンのそばにいってしまう


メーピスカリャー、ぼくは
そう呼んだ

メーピスカリャーは
ぼくを引っ掻いて
噛みついて、
みみず腫れや
腕に穴
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