春「あお」 (一〇句)/もっぷ
 
雁行と学校帰りと茜色


足許に石つころあり春霞


人間の射る眼を赦す白き梅


遠のいてセピアの写真春銀河


東京の長靴が踏む春の雪


樹を捨てて立ち去りし雁の翼かな


山融けて光りのなかに山野草


登校路変わって町のさくらさく


あおと呼ぶたくさんのあおありにけり


朝まだき駅の平日はじまりぬ


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