サークル「群青」 課題「紫」 『赤と青の間』/木原東子
に近いものを感じたわよ
彼女の指先ひとつで
屈強のバイキングの末裔たちが
じっと見つめながら指示に従い
全力でそれに応えて
それぞれの音を出すのよ
後半になり
背の高い
紫色のドレスをひきながら
生まれつき陶磁器のような肌をして
ソプラノを発する人物が登場するじゃない!
何であるかは知らないけど
これは女性そのもの
最後の歌には参ったわよ
言葉は無くて
阿の音だけで彼女は歌う
絶え間なく延々と
男声はくぐもった抑えた声で
もやのように声を発する
それはひょっとして何かを想像させない?
賛美歌なのだそう
玉を転がすような
絶え間ない賛美の声
神とは快楽物質なのか
すっかり混乱しちゃったわ
この連中のやってみせるのは
何だ!
とてもほどけるものじゃない!
人間ってややこしいな!
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