アルバイトの備忘録/ichirou
 
君がいなくなるキッカケをメモした。
1週間も経つとそのメモは概ね完成し、内容は僕の頭の中にすべて入っていた。
メモは備忘録になっていた。
キッカケは12種類あった。
中でも多かったパターンはあんパンが10個以上伝票に書いてあるときだった。
そんな時僕はS君があおられないようにラインを堰き止めた。
S君はその間にちゃんとあんパンを入れていた。
僕は主任に備忘録を渡した。
翌日S君の担当はあんパンだけになった。
それからS君はラインから逃げなくなった。

今でも僕はそのパン工場のあんパンをたまに買う。








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