Ifs/藤原絵理子
もしも
今朝飲んだのが
カフェオレじゃなくて
ミルクティーだったら
今 あたしはどうなってたかな
気が遠くなるほど
たくさんの分かれ道で
そのたびに立ち止まって
迷いながら選んできた
結び目だらけのロープが残る
過去の方角を振りかえれば
幻の道が1つに集まる場所が
はるか彼方にかすんで
かすかな胸の痛みを覚える
まだその場所が見える
もしも
好きになった人が
あなたじゃなくて
別の誰かだったら
今 あたしはどうなってただろう
冷静に
振りかえったりできる
それが
しあわせなのかもしれない
たくさんの‘もしも’に微笑みながら
せつなさが胸を刺すのは
まだほんの少しだけだから
結び目の連なりに
いつか後悔しないように
今日の‘もしも’と話さなきゃ
誰かが仕組んだわけじゃない
あたしだけの
‘もしも’だから
あたしだけが
話せる相手なんだから
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