るるる/Ohatu
 

 雨の音のように
 互いに育たず、打ち消し合う
 そういうものをこそ
 愛と呼びたい

 そらの色に
 本当の名前などないように
 分からないものをこそ
 信じていたい

 そこにあっても、なくても
 欲することができるならば
 それを求めることをこそ
 沈黙をもって讃えたい

 そんなささやかなわがままをさえ
 あなたと分かち合えぬ
 黙ることが下手な、自分を責めて
 五月蠅い雑踏の中、ひとり下を向く


                Ohatu


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