二十歳(はたち)のエチュード/草野大悟2
私の言葉を 少しも疑わない母さんに
嘘をついてまで 行きたかった宮崎
強い日射しとフェニックスのある街
ゆったりと落ちついた街
5時間 汽車にゆられて
たどりついたあなたが住んでいる街
行ってよかった。 ほんとうに。
どうしてもっと早くふんぎりをつけられなかったのだろう。
あなたの住んでいる所は
神宮駅の近く。
いつも 朝早く散歩するという神宮の森の近く。
少しあるくと平和台、埴輪公園
ほんこつ よお来たね。
よお 来てくれたね。
何度も あなたが言ったこの言葉が
何よりもうれしかった。
背の高いガラスのコップで
コーヒーを 飲み
わたしの
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